創業14年 ペパレスの電子書籍化サービス

几帳面な精鋭スタッフが高品質なデータを作成します

論文・社内報・他社で困難な古書や雑誌もお任せ下さい
OCRテキスト化・名刺・名簿の電子化も得意分野です


ペパレス > コラムTOP > スキャン画像の縦筋ノイズ除去


スキャン画像の縦筋ノイズ除去





「自動給紙スキャナーでスキャンすると、原稿にはない縦線が画像に写りこんでいた」という経験がある方は多いと思います。
この縦線は、スキャナーが原稿を読み取るガラス部分に付着した汚れが原因で出現した縦筋ノイズです。
本の糊、裁断時に出た粉塵、古い本の繊維などがスキャナーを通ったときにガラスに付着することが要因です。

縦筋ノイズは太く目立つものもあれば、特定の色の上にだけ出現するもの、目を凝らさないと見えない細いものと、発生する形は様々です。

この縦筋ノイズの予防、出現した時の対処、その他に考えられる原因について解説します。



製本糊の付着が原因のケース

本の表紙は中身よりもしっかり糊付けされているため、製本糊の塗りむらにより、ページの端に糊が残っていることがあります。



そのままスキャンすると、一度紙を通しただけでもこのようにガラスにしっかり糊が付着してしまいます。



この状態でスキャンした画像は、太い縦筋ノイズが入ります。

これは糊の部分を予め裁断すること、もしくは剥がすことでノイズの混入を予防できます。
もしガラスに糊が付着してしまった場合は、液体のエタノールかイソプロパノールをウエスなどに染み込ませて拭くと綺麗に取れます。

イソプロパノールはエタノールより安価なので、使用することに不安を感じる方もおられるようですが、イソプロパノールのほうが脱脂性もあるので機器のメンテナンスには向いています。
ただしその脱脂性が手荒れの原因にも繋がりますので、使用する際はナイロン手袋などで手を保護してください。


また、ティッシュではガラスに繊維が残り、それがノイズの原因となるケースもあります。
使用するのであればケバ立ちが少ない工業用ワイパーをお勧めします。
ペパレス第二製作所から販売されている「工業用使い捨てウエス 布タイプ」「工業用綿棒」(全14種類)もスキャナーのメンテナンスに最適です。スキャナー以外にもカメラレンズや光学機器などのメンテナンスに使用できます。







粉塵が原因のケース

粉塵は裁断時に出た切り屑だけでなく、本の使用・保管段階で混入したものもあります。
このケースの縦筋ノイズは様々な形で頻繁に出現するので、一目見ただけでは気付かないこともあります。
拡大して漸く明確にノイズだと分かるケースも珍しくありません。



特定の色や網掛けの上だけノイズが出現するパターンが多いので、それを考慮してスキャン画像のチェックを行うと見落としを減らすことができます。

保管状態が悪く埃っぽくなっている本であれば、予め表面や側面を掃除機で軽く吸っておくことも予防に効果的です。
また、本を裁断した後は裁断面を下にした状態でページをバラバラとめくり、粉塵を落とす作業も忘れてはなりません。



ペパレスでも、この裁断時に出る粉塵を大幅に除去する技術を導入したことで、再スキャンを大幅に減らすことができました。
少し念入りに行っても良い作業です。

スキャナーのガラスに糊が付着していないにも関わらずノイズが出現した場合、殆どの原因は粉塵です。
目で確認するのも難しいほど小さな塵が1つガラスに付着しただけでも、縦筋ノイズを引き起こす原因となります。



ノイズが出現した場合、糊の付着と同様にエタノール等の液体でガラスを拭くのも対処法の1つですが、掃除機の隙間ノズルで粉塵を吸い込むことが最も効率的です。
ガラスの表面に付着した粉塵だけでなく、ガラス周り溝の粉塵も除去することでノイズの出現を予防できます。



ただし、布等での乾拭きはガラスに傷をつける可能性があるので厳禁です。傷がついてしまうとスキャン画像に影響が出て、取り返しがつかなくなります。
その他、エアダスターでの粉塵吹き飛ばしも、スキャナー内部に粉塵を紛れ込まてしまうため、使用厳禁です。

ガラス付近だけでなく、スキャナーを全体的に掃除機でメンテナンスしておくことも重要です。



本の状態・紙質が原因のケース

古くてページが脆くなっている本や紙質が悪くインクが剥がれ落ちやすい本は、ガラスがすぐに汚れて縦筋ノイズが頻繁に出現します。
この場合はスキャンを数十ページごとに区切り、何度もガラスの清掃を行うしか方法はありません。

また、このような本をスキャンするとガラスだけでなくローラーにもインクなどの汚れが付着します。
インクが付着すると読み込んだ紙にもインクが付いてしまい、沢山の粉塵が付着するとローラーが空回りして紙を読み込まなくなります。



少し手間ですが、ガラスだけでなくローラーの清掃も同時に行わなければなりません。
ローラーはガムテープを使用すると手軽にメンテナンスできます。



それでもノイズが残るケース

ガラスを何度もメンテナンスしてもノイズが消えない場合、ガラスの表面ではなく裏側に粉塵が付着している可能性が考えられます。
基本的にガラスはスキャナー本体にネジで取り付けられており、その僅かな隙間からガラスの裏側に入り込んでしまうことがあるのです。

ガラスがネジで固定されている場合はネジを外し、ガラス部分を取り出してメンテナンスを施します。



ガラスをエタノール等でよく拭いたあと、ガラスに指が触れないよう注意を払いながら、掃除機の隙間ノズルで全体を丁寧に吸います。

ガラスが嵌め込まれていた部分にも粉塵が付着していることがあるので、その箇所も掃除機で丁寧に吸い込み、それからガラスを取り付けてテストスキャンを行います。



これらの対策方法を知っていると、ほぼ確実に縦筋ノイズを除去することができます。
しかしガラスの裏側のメンテナンスまで行ったにも関わらずノイズが消えないというケースは、1%未満の確率ですが起こることがあります。

スキャナー内部に本から出た粉塵や空気中の埃が入り込み、光学ユニットなどに付着して画像に影響を及ぼしているというケースです。

そうなってしまうと自身でスキャナーを分解して内部をメンテナンスするしか方法はありません。

出来る限りスキャナーに埃が入り込まないよう、使用しない間はビニールなどでスキャナーを覆って保管することをお勧めします。


高額なスキャナーであっても、メンテナンスを怠ったりスキャン回数を重ねたりしていると縦筋ノイズは発生します。
スキャン画像にノイズが写り込むとやり直しなどの手間がかかり、ストレスも感じます。
出来る限り予防するため、本の粉塵を予め落とすことや掃除機でのメンテナンスを習慣化したほうが良いでしょう。

ペパレスで行っているこれらの対処法を参考にしていただければ、恐らく縦筋ノイズの多発トラブルは概ね解決されることと思います。
正しいスキャナーのメンテナンスを行い、スムーズなスキャン作業に役立ててください。